3つのNISAがあると言いながら前回触れなかった「ジュニアNISA」が今日のメインテーマです。
2023年末で廃止決定って言ってたよね?今さらでしょー
いえいえ、むしろ今がはじめ時かもしれません!廃止決定したことにより変更された部分が、むしろ良い影響を生んでいるんです!
というわけで、今回は「ジュニアNISAはどんなものか」「なぜ廃止決定されているのに、始め時だと言われるのか」を解説していきます♪
ジュニアNISAとは
ジュニアNISAの概要
ジュニアNISAは子どもの名義で持つ非課税口座(未成年小額投資非課税制度)です。中身は他のNISA口座と同じように税金の優遇を受けられる口座ですが、詳細は以下の通りです。
- 教育資金や結婚準備金、子どもの資産形成などの目的を想定
- 利用できる人…日本在住の0~19歳
- 運用期間中の株や投資信託の売却益、配当金が非課税になる
- 非課税投資限度額…最大400万円(1年80万円×5年間)
- 投資開始可能年度…2016~2023年
- 18歳になるまで払い出しができない
子どもの口座、誰が運用するの?
口座は子どもの名義で開設しますが、実際に代理で運用をするのは運用管理者と呼ばれる大人です。具体的には「口座開設者本人の二親等以内の親族」で、両親や祖父母が運用していくことになります。金融庁サイトの「ジュニアNISAの概要」から運用イメージをイラストにしたものをを引用します。

上記のように20歳まで運用管理者が代理で運用を行い、その後は自動的に開設されるNISA口座にバトンタッチする形になります。
ちなみに年間110万円までの贈与には贈与税がかからないので、満額の年間80万円分を親や祖父母の口座から未成年口座に移しても贈与税はかかりません。(ジュニアNISAと別に財産贈与している場合は、そちらとの合計が課税対象となるのでご注意ください)
2023年末に廃止決定
そもそも廃止となった背景は?
薄々お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、廃止となった大きな要因が「18歳まで払い出しができない」という制限です。この制限のために、原則として途中で換金することができず、どうしても払い出したければジュニアNISA口座を解約するしかありませんでした。
しかも口座を解約する場合は、過去にさかのぼって全ての利益に課税され、非課税メリットすべてを失ってしまうのです!なんて厳しい制限!
でも、そんなことを言っても18歳より前に換金したくなることってありますよね?
- 十分な利益が得られたので、早めに利益確定したい
- 高校進学費用に充てたい、子どもが突然私立高校を志望しだした
- 大学受験の塾費用等、18歳より前に資金が必要
などなど、どれも特別な事例でなく普通にありそうな展開です。しかし、教育資金の調達を一つの目的としながら「18歳まで払い出しができない」という制限があるがためにジュニアNISAではこれらには対応できないのです。
こんなの、教育資金のために利用するには使い勝手が悪すぎる!
という全国の親の思いが口座の開設数の少なさに現れ、ジュニアNISAの開設数は一般NISAの30分の1にとどまる結果となりました。そのあまりの不人気さに廃止が決定されたというわけですね。
廃止決定による変更点
「18歳まで払い出しができない」という大きなデメリットを抱えていたために不人気だったジュニアNISAですが、なんと制度廃止に伴い2024年以降の払い出しに制限がなくなりました!!その結果、以下のようなメリットだらけの制度に様変わりしたのです。
- 非課税投資限度額…今からだと制度廃止までの3年間で最大240万円(1年80万円×3年間)
- 子どもが20歳になるまでずっと非課税で運用可能
- 途中で解約しても、それまでの非課税メリットを失うことはない
最大のデメリットがなくなったら、すごく良いものに生まれ変わってる!
投資資金があるなら、これをやらない理由はないです!
まとめ~むしろ改良⁉今からでも始めませんか?~
2024年以降の払い出し制限がなくなり、「廃止が決定したからこそ、使い勝手が良くなり人気がでる」という不思議な展開になっているジュニアNISA。
残り3年とは言え、240万円(80万円×3年)を今後長期の非課税枠で運用できるとしたら、かなりお得です!
特に0歳~5歳のお子さんがいらっしゃる方は、20歳までに15年以上の十分な時間を確保できるため、かなりオススメですね!(適切な商品に長期投資した場合、15年投資期間があれば、利回りがマイナスになることはほぼないと言われています。)
2024年の制度終了後も非課税で運用を続けるには、少しの手間(ジュニアNISA口座から継続管理勘定という口座への移行手続き)が必要ですが、その手間を補って余りあるメリットがあります!
おひげ家も先日ジュニアNISAを開設したばかりですが、「今さら」とは思っていません。もし迷っている方がいたら、ぜひ一歩を踏み出してみて下さいね♪
それではまた!